おかきズム

元ニコ動実況者(断じて有名でない)が、社会人になってブログ。グッズレビュー、アート、映画書評を書いてます。

2022年の抱負:アートブロガーとして今を生きる(それと近況報告)

どうも、おかきです。

 

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みなさん、あけましておめでとうございます。
今年も2022年よろしくお願いします。

毎年恒例ですが、昨年の振り返り+今年の抱負の記事を上げたいと思います。
私の近況報告も兼ねたいと思いますので、よかったら読んでみてください。

 

1. 近況報告

さて、昨年2021年ですが、全然記事の更新ができていませんでした。
1年前は下の記事のように意気込んでいましたが、このザマという状態。

 

www.okakism.com

 

理由としては、昨年同様やはりコロナ。如何せん身動きが取れないのは辛い。
さらに仕事の状況もありますが、加えて一番大きな理由として、実は結婚しました。


今まで独身貴族として、遠出して企画展を複数見に行ったり、アート系の書籍を読んだり、アートとはなんぞや、みたいな記事も上げてきました。今でもアートは私の趣味であり続けていますが、なかなか以前のように時間確保が難しくなってきました。。。


家庭・仕事でもない、第三の空間としてのアートブログを辞めるつもりはありません。
ただ、今一度考え直す時期に来ているのは事実です。

 

2. 今年2022年の抱負

2022年の抱負ですが、
アートブロガーとして今を生きるということです。


すごいフワッとした目標ですがこれでいきます。

 

で、なんでこんな目標にしたかというと、私はブログ記事を投稿するまでに時間をかけすぎではないか?と思ってます。アートの企画展に何度か行ってますし、書籍はここ数ヶ月以内でも3~4冊は読んでますが、あまりにも遅すぎです。内容へのこだわりが強く、今でも編集中の記事が何件もありますが、どんどん腰が重くなってきてます。


 この「投稿」に限って言えば、1ブロガーとしての問題ですが、ここをクリアできていない事によるモヤモヤが、実生活にも影響している気がします。書籍は中々次に移れないし、アート鑑賞の傍ら、溜まっている記事のことを考えてしまい、何処か「今」という時間を堪能しきれていないような気がするのです。もちろん趣味は趣味として楽しんでいますが、アートを考える度に「脳裏によぎる」という感じでしょうか。特に現代アートを追っかけている私からすると、かなり致命的です。

 

ただかといって、「年xx回記事投稿」といった目標はもういよいよ厳しくなってきました。ここ2年間試した結果分かったことでもありますが、それとは別に、家庭は勿論、仕事の方も(今まで以上にという意味で)真剣に向き合わなければなりません。

 

繰り返しになりますが、このアートブログは継続していこうと思います。ただ、ブログの記事はもっと気軽にやっていこうというのが今回のメッセージです。気持ち1日のほんの数時間で書き上げる予定で、とにかくピカソの如く数をこなしていこうかなと思います。

 

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今回の記事はこれで以上です。

身の回りの状況が変わってしまったため、勢いよく踏み出せない状態ですが、このブログも徐々に頑張っていこうかなと思います。それなりの質は確保する予定ですが、そのせいで投稿が鈍ってしまっているのも事実ですので、今後はサクッと上げていこうと思います。

あと現代アートラバーらしく、もっと最新のトレンドを追っかけたいですね。個人的にはオンラインサロンとかにも入ろうかなあと思っています。

ではでは

 

2022.1.4 0PM

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はてなブログ祝10周年!はてブロからの「10の質問」に答えてみた。

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問

 

どうも、おかきです。

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ブログ記事をガンガン上げるぞ!と生き込んだ今年ですが、プライベートで少々ありまして、またしても「年内アートブログ50記事」厳しい状況となってきました。ほぼほぼ毎日あげないと達成できない状況となっており、まあまあピンチです。
というか諦めモードです。


どうやって言い訳しようか、精一杯の言い訳を考える毎日です。


今回ですが、はてなブログが10周年を迎えるということで、「10の質問」が送りつけられてきました。そんなことよりアート記事を書け、と言いたいところですが、こういった記事の方がスラスラかけて進む進む、というわけで回答してあげようと思います。

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ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

ハンドルネーム「おかき」は、ニコニコ動画のアカウント登録時に手元にあったお菓子から。

ブログ名は変遷ありますが、アートブログ化した際に今の「おかきズム」に。
よく近現代アートでは「〜主義」「〜イズム」なんて言葉が使われました。ただ、現代アートになると、「主義・思想」の時代は終わり、アート思想家ですら把握できないレベルに多様化・多元化していきます。ただ、そんな中でも「自分」という軸を貫き通したい。そんな意志を込めてみました。というか、プライベートの時間くらい自己主張したっていいじゃない。


あとなんか「俺イズム」みたいな我武者羅さの反面、なんか無邪気さがあって、かわいいかもと思ったから。

ちなみに、サムネの棒人間は適当にZen Brushで作りました。キース・ヘーリングではない。

 

はてなブログを始めたきっかけは?

書きたいから。案外見栄っ張りなのかもしれない。

 

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

好き勝手に自分の言いたいことを主張する「アート漫談シリーズ」は、割と満足。

作成時は、もう数倍くらい文字を埋め尽くしたいところだったのですが、なんやかんやで読み物としていい感じのサイズに収まっている気がします。(今後はもう少し気軽に描けるようにしたい)

 

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あと、中華PCの話は、割と初期の頃の傑作。★はついていませんが、そこそこPVが出たので、調べた熱意は伝わるんだな〜と思いました。

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ブログを書きたくなるのはどんなとき?

割と気まま。。。アウトプットが苦手なんもんで。
ただ何かとインプットばっかり進んで、お腹を下しちゃう現代社会。定期的に立ち止まって、記事とか何らかの形でアウトプットしていくことは大事だな〜と思う今日のこの頃。

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

5記事。アート系が大半で、1年以上前のアート展が出せずじまい。下書きにも書かずに終わるアート展は、さらにあります。
あと、お遍路の旅第一回目はいつになっても始まらない。もうそろそろ消そうか。

自分の記事を読み返すことはある?

あまりない。せいぜい過去の発言と整合をとるために見返すくらい。
でも漫談は気に入っているので、たまにみちゃうかも。

好きなはてなブロガーは?

正直はてなブロガーだから注目していることはないけれども、フミコフミオさんは面白い。

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

今後とも頑張ってください。いろんなSNSやプラットフォームが出来上がってきて、文字よりも「映像」媒体が目立つ今日この頃。ただ、そんな中で文字媒体のメディアを気ままに書いて発信できるところがいいところかなと思います。今後ともよろしくお願いします。

10年前は何してた?

大学生してましたね。大学入って少し経ったので、ルールを覚えて、手を抜き始めた一番良くない頃です。ニコニコ動画・生放送に大ハマり、深夜2~3時くらいに寝て、10時くらいに起きたりとか、刹那的に生活を送っていましたね。今思えば、まだまだガキンチョでした。

この10年を一言でまとめると?

成長。

アホなりに我武者羅にやってた学生時代は、時間の70%は無駄に過ごしたし意味ないと思ってますが、それも今の「成長の肥やし」にはなったのかなと。アート記事が書けるのも、その当時の文系的知識が活かされているのもまた事実。

そして、社会人になってからは、不安定な頃もありましたが、なんだかんだ成長して「自立」への道を歩んでおります。あと、仕事もこなしつつ、休日の時間の使い方を覚えられてたのはいい収穫だなと思ってます、ともかく、丈夫な体に育ててくれた父母に感謝感激。


次の10年は、単なる自己成長で終わらず、人を「助ける」「支える」「育てる」側になりたいなと思います。

 

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今回はこれで以上です。

つらつら〜と自分のことを語るのは気持ちがいいものです。
次はアート系の記事をしっかり書こうと思うので、今後ともよろしくお願いします。

 

ではでは。

 

2021.10.20 Wed 9PM

 

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【おかきズム書評#7】アートが人を結びつける、原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』

お題「我が家の本棚」


どうも、おかきです。

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気がつけばもう秋。鈴虫の鳴き声で涼しさを感じる時期になりました。
秋といえば読書の秋、芸術の秋。というわけで、どちらにも共通する、芸術系の小説について今回取り上げたいと思います。

今回は、書店では必ず目にする「原田マハ先生」の本を取り上げたいと思います。
元々美術館のキューレーターとして数多くのアートに携わり、小説家になってもアートを題材にした小説を書き続ける、まさにアートと生き続ける人物。前から気になっていたので、原田マハ先生の小説を一つ取り上げたいと思います。

あくまで「小説」で「物語」なので、アート作品とは少し離れた存在ではありますが、アート繋がりという訳で、何卒ご容赦を。

 

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1. だいたいこんな内容

小説『デトロイト美術館の奇跡』は、2011年のデトロイト市経済破綻の時に起こった話を下地にしたフィクション小説です(人物も参考にした実在の人はいるみたいですが)。

リーマンショック後、デトロイト市が多額の債務で経済破綻。その穴埋めとして、美術館に収蔵される、セザンヌなど珠玉のコレクションを売却するのではないか?という話が上がり、全米で論争が巻き起こります。、収蔵作品ポール・セザンヌの『画家の夫人』の行方を案じる、デトロイトの老市民フレッドが行動を起こします。彼の<友だち>の運命はいかに?という話です。

以降、ネタバレありなので、注意です。

2. 総評:アートが人を結びつける  ※ネタバレあり

短編小説なので、濃厚なストーリーではありませんが、ほっこりする話でした。作品に魅了された人物たちの群像劇、、といっても市民フレッド、作品寄贈者タナヒル、美術館チーフキュレータージェフリーとたった三人程度しかメインキャラクターはいませんが、この小説の主題であろう「アートが人を結びつける」がしっかり描かれていたと思います。

この小説では、登場人物たちの過去を追体験し、絵画と登場人物の「結びつき」を感じさせてくれます。登場人物たちは、アート作品を「隣人」「友人」と、作品に人格を与えるほど親しみ感じられるものと考えているのですが、そんな登場人物たちの過去を追体験することで、一緒にその思いを共有することができます。最後には彼らと一緒に「やった!」と言える、達成感もあり、涙ありのお話でした。

小説の中にある好きな表現を一つ挙げると、デトロイト市民ジェフリーの亡き妻ジェシカを、デトロイト美術館を表現したときに使った「友だちの家」です。

現実の話になりますが、お気に入りの美術館とかだと何度も足を運び、一つの作品を複数回見ることがあります。一回、二回と来るたびに作品の絵面からディテール、行く果ては油彩のシワ・ひびまで記憶してしまい、それらにすら「愛しさ」「親しみ」を覚えてしまう時があります。憧れとか、感動とか、単なる刹那的な感情だけではない、アートラバーたちの「アートに対する愛情」をうまく表現しているなと思いました。(あと、常設展とかだと「またお前か」みたいな作品もあるのですが、それも同じかもしれませんね(笑。)

 

ただ、強いて残念だったなと思ったのは、「経済破綻における美術館の逆転活劇」という場面をそこまで活かさなかったなというところ。社会サスペンス的な要素も含みそうな感じですが、割と結構あっけなく解決してしまいます。オチを行ってしまうと連邦政府からの司法担当者が、実はアート好きで、内心「収蔵作品たちを救いたい」と考えており、ジェフリーの熱意を見た彼は、「募金」という奇策を講ずることで、最終デトロイト美術館は行政の管轄から離れ、独立行政法人となることで、債務整理による整理の手から逃れることとなりました。なんと、この3行にわたって書いた前文は、最終章にていきなり語られます。まあ、よくよく考えたら、そこまでの半沢直樹成分は不要なのかなという気もします。

総評としては、正直オチの拍子抜けが否めないので、まずまずと言わざるを得ません。ただ、心が温まるいい話で、人にも勧めたくなる話でした。あと美術館に行って、自分の<友だち>を探しにいきたくもなりました!

 

 

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今回は、これで以上です。

このブログでは、なんだかんだで初めての小説を取り上げてみました。
小説はストーリーを共有しないと始まらないので、実用書系の紹介が多くなると思いますが、今後も隙あらば取り上げていきたいと思います。原田マハ先生曰く、「アートへの入り口」になることを願って小説を書いてるということですので、私の書いたブログ記事も、誰かの新しい「アートへの入り口」になればと思います。

 

ではでは。

 

2021/10/17 Sun. 9PM

 

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【News】米バイデン大統領の息子がアート界に進出?ハンター・バイデン氏の作品を鑑賞してみた。

どうも、おかきです。

 

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※この記事は、7月頃に書いた記事ですが、最新状況のリライトが厳しいので、そのまま投稿させてもらいます!
(しれっと投稿時期も変更させてもらいます。申し訳ないです。。。) 2021/10/10追記

 

東京オリンピックがついに開催されました。なんだかんだありましたが、ついに開催。
賛否両論あり、いろんな意味で盛り上がっております。このブログでは、よく書籍だとか、アート展の話だとか過去の話ばかりですが、今回アート界においてもホットな話題を提供したいと思います。


なんと現職の米国大統領バイデン氏の息子が、アート界に進出するという話です。

 

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1. 現職・米国大統領の息子がアート界に進出

こういったことを言うと、フェイクニュースじゃないのか?という話がありますが、ワシントンポスト等の大手新聞社が既に報道。さらにはホワイトハウスの報道官まで、公式の質疑で言及しており、事実は認知されています。結論としては、「大統領の御子息がされていたのと同様、彼にもキャリアを進める権利がある」(2021/7/9)としており、(推定価格は無論メディア情報ですが)公式にも認められた事実ではあります。


このニュースについてですが、まず軽くまとめていくとこんな感じです。
ハンター氏はあまり注目されませんが、選挙時にウクライナ疑惑をかけられた人物というと自記憶に新しいのではないでしょうか?

 

<概要>

  • 弁護士・実業家、近年はロビイスト活動だったが、それとは別で子供の頃からアート制作をしていた。公式な教育は受けておらず独学。現在は自宅スタジオで作成。

  • ニューヨークのギャラリー"ジョージ・バージ・ギャラリー(George Berge Gallery)"に作品を納入している。

  • 今秋ロサンゼルスでプライベート展示を行ったあと、ニューヨークでギャラリー個展を開催する予定。飾られる作品の価格は、$75000から最大$500,000になる見込み?

 

We Spoke to Hunter Biden About His New Life as a Full-Time Artist, and His Personal Quest for ‘Universal Truth’ Through Painting

news.artnet.com

 

 

とはいえ、陰の多いアート界。

ホワイトハウスが積極的に介入するつもりはなく、あくまでこれはハンター氏のキャリアの話であり、価格・取引についてはアート業界の慣行に基づいて行われるだろうと、あくまで遠巻きに見ている姿勢です。つい先日の質疑応答では、「作品購入者とあったのでは?」という記者の質問に対し、「会ったのは、ギャラリー関係者だろう。以前から予定されていた。」とか「ギャラリー経由の購入なので、(購入者が出ても)ハンター氏の作品購入者は秘匿され、知る由はない」(2021/7/23)としています。

 

2. ハンターの作品を鑑賞してみた。

 それでは、早速どんな作品を作成しているのか?見てみましょう。

これが全てという訳ではないのでしょうが、ギャラリーのサイトを見に行けば、大抵どんな作品かは把握する事が可能です。

https://bergesgallery.com/our-artists/hunter-biden

  • 抽象絵画の作品。幾何学模様と独特の色彩で、不思議な世界観を演出。
  • アクリル・水彩などのミクストメディアを使用。下地は紙や木など様々。
  • 一部作品には、模様っぽい中に、森・幻獣や人の姿・手など。
  • サイズは少し大きめくらいの絵画(数m x 数mまではいきませんが)

 

抽象表現主義なんて古いでしょ、という声もあるかもしれませんが、アートバーゼルとかで見ても割とわかるのですが、ギャラリーで流通しております。時代性を超越した普遍的な表現なのかもしれません。

 

絵画に関してどうこう言えるほど、目が肥えてはいませんが、一言で言うと幻想的。
語彙力がないのもありますが、中々に名状し難い世界観。ただ、ともかくサイトに行って、まずは絵を見て欲しい。ただ正直、抽象絵画好きの私にとって、好きか嫌いかというと、正直なんとも、、という感じ。

なお、このハンターさん。政治家の家に生まれ弁護士・実業家として活躍した経歴など、いわゆる成功者の印象が強いですが、その反面、早くに母妹を失い、そのトラウマで薬物・アルコール中毒経験あるなど中々大変だった模様。彼の抽象絵画には、幾何学模様の中には木や人の姿が見えるのですが、そういった過去もあるのかな?と思いました。過去の20世紀的な「冷たい」「熱い」抽象ではなく、自然や人間性といったテーマ性を持たせたいのかなぁ?と思っています。とはいえ、題名が「無題」なので分かりようがないので、やはりなんとも、、というのが正直なところです。

 

3. 息子ハンターの今後について予測してみる。

最後に、今後の展望について軽く考察してみようと思います。
個人的な意見を率直に言うと、そこまで上手くいかないんじゃないのかなぁと思ってます。

これだけのVIP、ましてや大統領の息子となると、アートで個展やオークションをやるだけで大騒ぎです。さらには、お父さんのいるホワイトハウスの報道官に対して、記者から何度か倫理的な問題がらみの質問がぶつけられるなど、てんやわんや。


そんな状況下で、アート作品を冷静に評価してもらうのは、流石に困難だと思われます。
ましてや現代アートインパクトだけでなく、コンセプトや意味の重層性など非常に複雑。アートの歴史・業界を理解しつつ、プロモーション戦略を考える必要があり、成功するにしても膨大な時間と投資が必要です。ただセンセーショナルなだけでは生き残れません。


参考程度にいろんな記事を見ていても、割と冷ややかな印象を受けました。
無論、間口の広いアート業界ですからいきなり彼を批判したりはしないものの、少なくとも「新たなアートスター」として期待されているかというとそうでもない、って感じです。アートの値段については、前述の通り$75,000~500,000と駆け出しとしてはいい方ですが、問題はこれをいつまで保てるか。アートマーケットは、成功すればセカンドマーケットでとんでも金額で売買されますが、低評価の作品については買い叩かれてしまう、そんな冷酷な世界です。そんな世界でどんな戦いを見せるか、今後も見ていきたいと思います。

 

2021/10/10追記:
NYポスト報道で、ロサンゼルスでプライベートアートショーを9月に実施。
1作品$75,000ほどで、5作品ほど販売できたそうです。購入者は不明(当たり前ですが)。ただ、家族から大統領支援者など割といたっぽいので、利益相反がまた問題になりそうですね。。。

 

 

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今回はこれで以上です。
サクサクっと作成予定でしたが、結構長文になってしまいました。

ホワイトハウスは遠巻きに見るだけ。アート関係者も冷ややか。政治家のパパは立場上応援できず、まさに孤立無援。


そんな苦境にある彼について色々書いてしまいましたが、一人のアートラバーとして、素直に応援してあげたいというのが本音です。とはいえ新人アーティストとしては前途多難すぎる状況。どう乗り越えていくか、今後も見ていきましょう。

 

ではでは。

2021.7.25 Sun 12AM

 

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【News】クリスチャン・ボルタンスキー逝去、世界的現代アーティストによる個展に行った思い出(Christian Boltanski: Lifetime展, 2019/3)

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

どうもおかきです。

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記憶に残る日というと、いろんな日が出てきます。
学校の入学式、部活動の試合、告白の日などなど、、、とはいえ、アートブロガーらしく、アートがらみで個人的に印象に残った日を取り上げようと思います。


先週2021/7/14、あるフランスの現代アーティストが亡くなりました。
2019年3月に大阪・国立国際美術館で催された彼の個展に行ったことがあるのですが、それ以来美術館に行くことが趣味の一つになり、特に現代アートへ傾倒していく大きなきっかけになりました。今回はそんな体験談を話ししていければなと思います。

 

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1. クリスチャン・ボルタンスキーってダレ?

思い出話に浸る前に、まずとある現代アーティストの話します。
名前はクリスチャン・ボルタンスキー(1944-2021)

フランスの現代アーティストであり、ユダヤ系という出自から、ホロコーストを匂わせる表現もありますが、彼のテーマは、「人の死」や「自己・他者の記憶」といった、政治・歴史を超えたかなり普遍的なテーマ。無名の人物写真や、所有者のいない日用品を使ったインスタレーション(立体作品)は、目に見えない「何か」の存在を示し、どこか「瞑想感」の漂う不思議な雰囲気のある作品ばかりです。

アートラバーなら是非気づいて欲しいのですが、2019年あたりは日本各地、さらには世界各地でアート展を開いており、活躍していました。現代アート版長者番付「Power 100」のランキングには載ったことはないものの、現代アーティストの中でも、かなり有名な部類に入ると思います。ダミアン・ハーストといった超絶大御所ではないにせよ、書籍とかにも名前が出てくるレベルです。

初めて知ったのですが、独学で進んだキャリアライフであり、1968年には個展を行い、それ以降50年近くアーティストとして活躍しました。そして、つい先週2021/7/14に長い生涯を終えました。

 

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2. 思い出:世界的アーティストが手がけたプロデュースの素晴らしさ

彼の個展に行ったのは、大阪・国立国際美術館で行われた「クリスチャン・ボルタンスキー Lifetime(2019/2/9~2019/5/16)」に行った時でした。きっかけは一切なし、何気なくフラッと美術館に立ち寄ってみただけ。ボルタンスキーについて何も知リませんでした。

 

www.nmao.go.jp


ただ、そんな自分でも、このアート展で「刺激」を満たすことができました。


まず雰囲気ですが、なんと展示エリア一面が暗所。さらには音響。アート作品の一つなのですが、心臓の心拍音が鳴り響くなど、異様な雰囲気を感じさせます。当時の私は、まだアート展にそこまで足を運んでいなかったのですが、今見ても凝りようが凄い。アート作品の内容がどうこう以前に、「演出」とか「プロデュース」がすごいです。これは彼が、アート展を黒色で包むことで、「死」「記憶」を想起させる意図があるのですが、これほど気合が入っているアート展はありません。(パンフレットもオシャレ)

 

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その上でそれら演出が噛み合った、作品、そしてそれが紡ぎあげるストーリーが展開されていました。普遍的なテーマだからというのもありますが、ボルタンスキーの戦略なのかもしれません。よりテーマを純化させつつも、ストーリーで見る者に訴えかける。当時の自分には知識不足で、受け取りとめ切れない部分が多々ありましたが、とても満足いきました。あと作品の演出が多種多様でとても面白いです。白熱電球や、服を使った作品など、色々な数がありとても面白いです。大抵のアート展は、色んな作品を並べて終わり。「この作品は気に入ったけど、他は、、、。」というのがよくあります。今回も例に漏れませんが、そこまで気にならず。アート展全体としての個人的な評価はvery goodです。

 

特に好きだったのが、「ミステリオス(2017)」「アニミタス(2014,2017)」という作品でした。いずれもプロジェクター映像作品で、映画館並みのサイズで風景をひたすら流しているだけですが、会場の中心で設置されており、雰囲気を効果的に演出していました。

 

  • ミステリオス(2017)
    南米パタゴニアの砂浜・海辺を映した映像作品。砂浜に設置したラッパから不気味な音が鳴り、クジラが海辺から姿を現す。どこか悠久の時を感じられるドキュメント作品。パタゴニアでは、クジラが世界の起源を知る存在とされており、そのクジラに人間がラッパで問いかけようとしているとのこと。
  • アニミタス(2014,2017)
    砂漠と極寒地帯の風景をそれぞれ写した2作品。それぞれの風景には、風鈴のついた細長い棒を大量に地面に突き立てられており、とても幻想的な様相。会場の中には風鈴の音が鳴り響きとても落ち着く。

 

 

3. 存命のアーティストが手がける個展に行ってみよう

最後に軽い小話をしたいと思います。

先週亡くなられてしまいましたが、訪れたアート展は「存命」のアーティストの手によるものでした。前述の通り、日本各地で個展を開いておられてて、その後も何度かアート関連の紹介記事が掲載、彼自身もメディア出演し、コメントを残しています。そういったことが何度か続くと、またパンフレットを見返したくなるわけです。そうやってどんどん理解が深まっていく、また愛着が出てくる。そういったことができるのは、まさに現代アートの特権ではないでしょうか?

 

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今回の記事は、これで以上です。

 

なお、このボルタンスキーですが、非常に面白い人物で、定期的に一定額を受け取り見返りに、死去するまでアトリエを生配信し続ける契約をプロのギャンブラーと交わしていたようです。64歳の時にこの契約を結び、72歳以上生きないと元が取れない契約なのですが、4年分の儲けをちゃっかり得ています。他にも「心臓音のアーカイブ」という世界中の心臓音を集めた場所が香川県・豊島にあったりなど、色々と面白い話があります。


良かったら皆さんも、存命のアーティスト展に是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
パネルディスカッションとかいくと割と面白かったりしますので、是非行ってみてください。

 

ではでは。

 

2021.7.22 Thu 10AM 

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【おかきズム書評#6】 20世紀のアートから学ぶアートとの向き合い方「13歳からのアート思考」末永幸歩

どうも、おかきです。

 

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7月に入り、いよいよ蒸し暑くなって来ました。
まだ梅雨の天候が続いているので、土日日中が蒸し暑い日数は限られていますが、夜はやっぱり暑い。我慢せずエアコンをきかせた快適な部屋で過ごしています。

今回、昨年2020年から書店に並んだある本について取り上げたいと思います。
ゴツめの黄色の本なので、私のように土日書店をプラプラしている方は見られたかもしれません。オリラジの中田敦彦さんの宣伝効果もあり、人気が出てるのかもしれません。あっちゃん、カッコイイ〜。

 

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紹介する書籍:末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』第3版、ダイヤモンド社、2020年

 

 

1. だいたいこんな本

この本では、20世紀のアート作品6点を各章で取りあげつつ、アート鑑賞における「基本的な考え方」について解説してくれます。よくあるアート系の本は、アート作品の紹介を重視し、作品の表現方法・歴史的背景だけ触れることが多いですが、この本では作品の紹介以上に、「考え方」によりフォーカス、全体を通じて「考え方」について語られます。


アート鑑賞における著者の主張を簡単に言うと、”表現の花"より"興味のタネ・探求の根"をということ。アート鑑賞というと、作品の造形表現・色彩(表現の花)ばかりに目が行きがちで、また知識・教養が必要と見做されがちです。ただ、本当に大事なのは、鑑賞者が持つ関心・感想(興味のタネ)を持ち、自分なりの考え(探求の根)を得ることです。アート作品に相対し、作品との「対話」「交流」を通じて深く堪能する、その重要性をこの本では改めて指摘しています。


ちなみに、タイトルの「13歳からの〜」となっている理由は、小学生と中学生の教育科目の評価統計を比較すると、大きく評価が下がる「美術」だからということだそうです。著者は、中学・高校の美術教師として、生徒の評価と知識偏重型の教育方法に憂いて、このタイトルにしたみたいですね。そんなにみんな「美術」嫌いなの?

 

 

2. アートを始める方へ:アート鑑賞とは?について考えてみるという”体験”

感想としては、アートの鑑賞について考えさせる良い本じゃないか!と思いました。

内容は非常にシンプル、各章最初は作品の軽い紹介をしてくれますが、最後にはアート鑑賞における、鑑賞者の「内的な体験」を重視するということを、何度も語りかけてくれます。アート作品はただ「上手い」のではない、(快・不快は別にして)内的な「刺激」ないし「感動」を与えるからこそアート作品であり、それを自身の中で受け取って、味わってこそのアート鑑賞です。当たり前のことではあるのですが、アート作品に向き合った時、存外これを忘れてしまいます。「13歳からの〜」という設定もあってか、セミナーを受けているかのような言い回しが気になりますが、あらゆる世代のエントリーとしてはお勧めしやすい本じゃないかな、と思いました。



特に、「知識偏重」の傾向については、アート好きの方でも何度も直面する問題ではないのでしょうか?書籍冒頭で、ある絵画作品と短文解説を見せられるのですが、その後「解説ばっかり見てませんか?」と質問されてしまいます。有名な絵画だったからこそ、解説にすぐ目を移してしまったのですが、これは流石にうっと思ってしまいました。

私が好きなのは現代アートになるので、近代以前の作品とは違い、評価が固まっておらず、膨大なバラエティーに富んでいるので、過大な知識偏重型には陥りにくいと思います。ただ、現代アートは、その反面何分捉え所がない。また、過去のアート史の積層を無視して語れない以上、何度も立ち止まってしまいます。ただそんな中、この本は「アートを鑑賞する際は、もっとインタラクティブ(相互作用)に考えていいのだ」と伝えてくれます。そりゃそうだという話なのですが、少し元気が出ました。



 

あえて、一つだけ問題点を出すとするなら、割と解説が長めです。
この本、340ページくらいの少し分厚目の本です。余白が多めの340ページですが、長めの文章を読むのが苦手な人は割と辛いかもしれません。作品数も少ない割には、アート鑑賞の「考え方」にフォーカスし、作品解説は多くは語らないレベルだったので、個人的な話ですが、新しい発見!というのはありませんでした。

ただ、書籍を通じて「考え方」を伝えることが著者の最終目標だからこそ、この構成にしたのだと思います。過剰な部分を徹底的に削ぎ落とし、初心者にも分かる平易な表現を心がけた著者の優しさが伝わってきます。少し厳しく書いたかもしれませんが、個人的にはそこまで冗長さは感じないレベルだったのは伝えておきます。

 

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今回は、これで以上です。

最近、クリティカルシンキング(批判的思考)などに代表される、「解決型」の論理主義・合理主義からの脱却として、「アート思考」という単語が散見されるようになっています。ただ、そういった本は、たいていアート解説が過剰だったり、逆に少なかったりなど、何もかも中途半端。あまり良い本はない印象です。ただ、もしいい本無いのか?と思っている方には、この非常に分かりやすく、おすすめできます。


あともし この本を読んだ人なら、ぜひ美術館に行ってみてください。そしてぜひ作品を堪能してください。すると、その時間が、有意義で贅沢な時間を感じられると思います。それこそがアート鑑賞です。それを実体験するまで、目的は達成されていないということは肝に銘じたほうがいいかもしれません。(まあこのご時世なので無理なさらぬよう)

 

ではでは。

2021.7.11 Sun 11PM

 

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【おかきズム書評#5】 有名アートブロガーによるアート書籍登場!「いちばんやさしい美術鑑賞」青い日記帳

どうも、おかきです。

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以前少しだけ話しましたが、アートブロガーとして一念発起した2019年に、数々のアート系書籍を購入しました。今回はその時に購入した書籍を紹介したいと思います。

アートブログをやるなら、まずは先輩から教えを乞うべし!と思い、同じアートブロガーの方が執筆された書籍の紹介になります。 

 

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紹介する本:青い日記帳著、『いちばんやさしい美術鑑賞』、ちくま新書、2018年

 

1. だいたいこんな感じの本

アート系ブロガーとしては有名な、「青い日記帳」さん(いや先輩)のアート解説本。
2018年の初版と割と新しめの書籍になります。

本タイトルに「美術鑑賞」とありますが、鑑賞のノウハウは数ページだけです。本当の内容は、いくつかのアート作品を取り上げて、それらについての解説する、といった内容です。そう、よくある形式のやつです。


アート作品は、西洋(ルネサンス〜近代)、日本(室町〜現代)で取り上げられており、合計15作品。文庫本ですが、少し厚めの本にはなります。現在活躍されている池永康晟を除けば、近代以前のアーティストで固められています。(現代要素が欲しい)ただ、ガレ・並河靖之の作品、曜変天目など、絵画作品以外も紹介してくれます。

 

<掲載アーティスト> 


他の書籍と違い、特徴的なのは、掲載されている作品は実は全て国内の美術館で鑑賞可能です。(今後は分かりませんが、少なくとも執筆当時は可能)こういったコンセプトでチョイスされるのは、割と珍しいですね。ピカソの作品でも見たことがあまりない作品が取り上げられています。

 

 

2. ブログっぽい本

個人的な感想としては、見出しの通り「ブログっぽいな〜」と思いました。
「教養本」というよりは「文章を読む楽しみ」がやや強めです。そりゃ書いたのは、専門家ではなくブロガーなので当然なのですが(笑


とはいえ、書籍を通して、アート作品の内容・構図・表現方法、アーティストの来歴、歴史的背景など、たくさんの情報を提供してくれます。ときに見る者を困惑させるアートですが、そこはブロガー。わかりやすい解説をつけてくれています。また言葉遣い・表現もとても面白く、デュシャンを知るとは、「麻疹にかかるようなもの」という表現は、アート愛好家としては「いいね」を押したいと思いました。(ぜひ私のコメントにしてしまいたい)


ただ、全体として説明口調の野暮ったい説明・表現が多かったというのが正直な感想です。


初心者向けにも書こうとしたのか?、全体的に情報量が多め。サムネにも書きましたが、タイトル通り「いちばんやさしい」のか?というと、割と微妙です。アーティストの来歴、歴史背景、作品にまつわる逸話など、専門知識〜うんちくネタなどそこそこ多いです。少なくとも、もし「アートってそもそも何?」とか「ただ気軽にアート作品を眺めたい!」という人であれば、雑誌「Pen」「Casa」などのアート特集を読んだ方が面白いかもしれません。


あと、こればっかりは、印象の問題かもしれませんが、「思いをはせる」「想像が働きます」といった表現が散見され、著者の個人的な思い入れも入りすぎてる感はあります。(そういうところも含めブロガーっぽいなと思いました。)この本決して悪い本ではなく、長年のアートブロガー歴から出る知識量は多く、読めば得られるものも多いのですが、ちょっとそこだけ気になってしまいました。。。そこも「1つの尺度」として見ればいいのかなと思いますが、、個人的にあまりそう言うのは好きじゃないので。。。先輩、ごめんなさい。

 

 

3. 陶芸作品が見に行きたくなる本

この本、割と厳しめに書きましたが、もう一点だけ書きます。
全体の書籍の印象としては前述の通りなのですが、作品のチョイスについては高評価です。
特に絵画に拘らず、陶芸などにも手を出しているところが非常にいいです。

アートというと、絵画など平面作品がほとんどです。ルネサンスの宗教画、近世の歴史画、近代の風景画・抽象画。これがいわゆるアートとされますが、本来それだけに止まらないはずです。確かに、陶芸となると、「古臭い」「刺激がない」そんな印象がありますが、この本では、そんな陶芸への苦手意識から解放してくれます。

とはいっても、ガレのガラス陶芸、「曜変天目」、並河靖之の「七宝焼き」の3点なので、少々異端の部類には入りますが、「陶芸の世界に興味を持つのも悪くないかな?」、なんて思えるかもしれません。巻頭にフルカラーの綺麗な写真があり、解説を見ながら心ゆくまで楽しむことができます。

 

特に曜変天目は是非ともみたいと思います。内側の光彩が特徴的な茶碗で、そのうちの最上級の品。現存する3品の総称を曜変天目と言うのですが、ここでは通称「稲葉天目」と呼ばれるものが紹介されます。釉薬の効果で現れる、美しいブルーの斑点模様がこれまた綺麗。とてもそそられる美しさです。現代人の目で見てもこれは美しいと思える色彩なので、是非見てもらいたいと思います。

 

また、明治大正期に活躍した並河靖之の七宝焼も興味をそそりました。七宝焼きと呼ばれる、金属線で細やかな縁取りをして、釉薬で彩るというもので、とても微細で美しい。まさに「職人芸」といった感じです。読んだのはかなり前ですが、しっかりと今でも記憶しています。「藤花菊唐草文飾壺」という、恐らく覚えることはないであろう名称なのですが、あの美麗さだけは忘れません。平面絵画では現れないあの繊細さは是非見てもらいたいと思います。正直この人は知らなかったのですが、当時のパリ万国展覧会で金賞牌を受賞し、世界的に評価の高い人物のようです。

 

といった具合に、陶芸への新しい道が開けそうです。こういったことがあるから読書はやめられませんね。全体的な評価としてはマイナス気味に書いてしまいましたが、新しい世界を作ってくれたような気がします。是非展示会の機会があったら、見てみたいと思います。

 

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今回は、これで以上です。

少々ボリュームが多めの内容ですが、アートをある程度興味持っている人であれば、楽しめるのではないか?と思います。アート教養としても、趣味本としても楽しめる本となっています。個人的には先に挙げた、曜変天目七宝焼きについて知ってもらいたい!、そう思います。

 

ではでは。

 

2021.7.3 Sat 11PM

 

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